株式会社澤頭建設
- 設立:1985年
- 従業員:7名
- 得意分野:屋一般建築の設計施工
- 企業HP:https://www.sawaken-tama.co.jp/
澤頭建設の後継ぎとして
関ケ原町で木造住宅を主体に建築・土木の設計から施工までをトータルで手掛ける、株式会社澤頭建設さんは、2024年で創業108年を数えます。地域でも希少な「100年企業」の代表取締役である澤頭典男さんにお話しを伺いました。
株式会社澤頭建設は創業当初は地場の木材を扱う製材所としてスタートしましたが、澤頭さんの祖父の代には家づくりを始め、ゼネコンに勤めた経験のある父の代から現在の総合建設業の形態へと変化していったそうです。
澤頭さんも父と同様大手ゼネコンでの勤務経験があるそうで、「住宅からマンション、ビルまで大規模な工事にも携わりました。大きいところだとJR川崎駅の改修工事にも関わりましたよ。」と語る澤頭さん。
「大きな物件の施工管理の経験が今に活きています。」と話されるようにゼネコンでの4年の勤務経験を経た後、関ケ原に後継ぎとして戻り今年で14年になります。
企業理念を軸にした会社の将来像
2020年に父から事業承継した澤頭さんは、自社の企業理念を改めて明確にしました。「日々の暮らしに安心、安全を提供することで人々の命と健康と財産を守る」という理念には、家づくりに限らず人々の暮らしに貢献していくとの決意が込められています。 現在の事業は一部公共土木工事もありますが、メインは新築・リフォーム工事であり、「今後は更に新築工事に力を入れていきたい。年間1棟~3棟の施工数を5年後には年間10棟まで伸ばしたい。そのためには家づくりをとことんつきつめてお客様に喜んで頂ける提案をしていきたい。」と具体的なビジョンを教えてくれました。
人々の命と健康と財産を守る家づくりを目指して
澤頭建設で手掛ける家づくりについてこだわりを伺ったところ「ビニールクロスを使わない。機械や電気に頼らない家づくりを心掛けています。」と話してくれました。ビニールクロスとはポリ塩化ビニルを主原料とする壁紙のことを指し、安価であること、デザイン性が高いことから家づくりに多く取り入れられるようになりましたが、材料に含まれる化学物質が原因でシックハウス症候群を引き起こす恐れがあるそうです。
澤頭建設では「通気断熱WB工法」という家と人が健康でいられる工法を採用しているそうです。「弊社では部屋の中に湿気やニオイ、化学物質が籠らないようにビニールクロスではなく、透過性のあるコットンクロスを使用しています。WB工法の家は通気性、透過性が高く、自然と空気が循環する構造になっているから、機械に頼らないで生活できるからエコなんですよ。」そう語る澤頭さんが進める家づくりには「人々の命と健康と財産を守る」という理念が反映されています。
喜んでもらえる家づくりが今の澤頭建設を支える
「お客様に喜んでもらうことが一番のやりがい。」と話す澤頭さんですが、その反面「一生に一度の買い物をご依頼頂くことに大きな責任も感じています。半端なことはできません。」とも話されるように家づくりへの覚悟も感じられました。 これまで関ケ原町や垂井町、大垣市を中心に1,000件程の施工実績があり、澤頭さんは「リフォーム工事のお仕事を頂くのは殆どが以前にもお世話になっているお客様ですよ。」と嬉しそうに話します。祖父や父の代からの付き合いが続いているお客様も多いそうで、会社の歴史や積み重ねが今の時代にも受け継がれています。
従業員がやりがいを感じてもらえる会社に
しかし、これから新築工事の件数を伸ばしたい澤頭さんは、広報や広告に力を入れるかたわら、従業員が働きやすい職場環境の改善にも取り組んでいると言います。「ウチの従業員は父の代から勤めている方も多いから、普段遠慮して話ができないこともあったけど、みんなで社員旅行に行った時に色々提案してもらいました。」と話すように、これをきっかけに新規受注を獲得した従業員への報酬制度の導入や資格取得支援制度の基準化を実施したそうです。
「従業員の為に、今年4月からは中小企業では導入実績がまだまだ少ない401k(確定拠出年金)もスタートしますし、業務のIT化の促進や、従業員が頑張った分だけ評価される仕組みにして、やりがいを感じてもらえる会社を目指します。」と働き方改革を通じて、従業員の意欲向上と対外的にも魅力のある会社づくりに取り組まれています。
新入社員との出会い
そんな中2023年の4月に澤頭建設に新入社員が入社します。30代の石本さんは北海道の出身、澤頭建設への入社をきっかけに当時住んでいた首都圏から家族と一緒に岐阜県へ移住されたそうです。
もともとゼネコンで働いていた石本さんはオフィス勤務が中心で、現場にあまり出たことがなかったそうです。その仕事にやりがいを見出せなかった石本さんは転職を考えるようになったそうです。そんな折、施工管理の仕事に魅力を感じていた石本さんは、たまたま岐阜にいる共通の知人の紹介や誘いをきっかけに、何社か引き合いがある中から、澤頭建設に入社を決められました。
ゼネコンに勤めていたとはいえ、現場経験が殆どなかった石本さんですが、先輩従業員のサポートもあり現場で頑張ってくれているそうです。澤頭さんも「意欲的な姿勢で仕事に向かっており頑張ってくれている。今はお客様の接客にも携わってもらっています。」と評価されていました。
石本さんの入社以前は現場経験がある人を探していたそうですが、「家づくりに対する意欲と興味関心がある人材がいれば、現場経験のない人材や新卒採用も考えようかと思っています。お客様からのご要望に応え続けるためには、家づくりへの意欲と関心が必要な要素です。」と次の会社を担う人物像にも影響を与えた出会いだったようでした。
澤頭建設に関わる方を大切に次の100年へ
将来のビジョンに向かって確実に歩みを進める澤頭さんは、将来の澤頭建設の家づくりに協力してくれる職人さんも探していると言います。「家づくりには職人さんの協力は欠かせません。職人さんも高齢化しているので若い職人さんとの繋がりも大切にしていきたい。」そう話されるように、澤頭建設に関わるお客様・取引先・従業員を大切にする姿勢が100年以上の歴史を作り、次の100年に向かっての財産にもなるのだと感じられるお話でした。