株式会社高橋工務店
- 設立:1966年
- 従業員:6名
- 得意分野:土木・舗装・建築・とび・土工・鋼構造物・水道施設・解体工事業
- 企業HP:https://sekigahara-takahashi-k.com/
経営者の父、その背中を追いかけて
公共工事から民間工事、土木、建築、外構、エクステリアまでを幅広く対応して関ヶ原での暮らしを支えてきた株式会社高橋工務店さんへお伺いしました。
株式会社高橋工務店の代表取締役で3代目となる高橋伸次さん。幼少期から先代社長である父の背中を見て育ち、家業を手伝う中で将来はモノづくりに関わりたいという思いが強くなりました。その思いを実現するため、建築学科のある大学へ進学し、卒業後は愛知県内のゼネコンへ就職。7年間の勤務を経て2011年に関ケ原へ帰郷し高橋工務店へ入社しました。社長の右腕として経営手法を学びながら経験を積み、2020年に事業を承継して代表取締役に就任しました。
高橋工務店は、初代の祖父が1955年に創業しました。創業当時は鉱山開発を生業としており、先代の父が会社を引き継いでからは、舗装工事業を主体として時流に合わせた新規事業を展開し、西濃地域を拠点にモノづくりに関わってきた企業です。
先代とのエピソードや、ご経歴についてお尋ねすると、「高校・大学の長期連休は父と一緒に現場へ出て、主に舗装を体験しました。手に豆をつくりながら力仕事で汗を流し、徐々に任せてもらえることが増えて楽しかったですね。ゼネコンでの7年間では、施工管理の資格取得や、大手企業の工場新築工事、保全工事、プレス基礎工事等、他では経験できないことも携われました。自信になりましたし、価値のある経験でした。地元に戻ってきてからは父の下で働きましたが、背中で語る人だったので、すべてを教えてくれることはなかったです。見て学びましたね。何事にも挑戦させてくれ、同じ失敗は二度と繰り返すなと教わりました。」と昔を振り返りながら語っていただきました。
成功へと導く3つの定理
一人一人がプロフェッショナルになることを実現するため、先代が残したものの一つに、「成功へと導く3つの定理」があることを教えていただきました。高橋さん自身も1日の目標、1か月の目標、1年の目標を3つの定理に基づいて考え、行動されているそうです。この定理は、社内全体へ浸透しており、社員の一人一人がお客様のために行動することで、顧客満足度の向上と会社に対する高い評価へとつながっていることを伺いました。組織風土として根付いていることが感じられます。
3つの定理
①Vision:目標設定・こうしたい、こうなりたい
②Concept:目的・なぜ、何のために
③Motivation:志気を高める・そうするためにはどうすればいいか
天下分け目の関ケ原を支える企業としての役割
次に、関ケ原で経営することのメリット、仕事のやりがいについてお尋ねしました。
「天下分け目の関ケ原合戦というイメージから、関ケ原というネームバリューは抜群ですよね。当社のHPにも“天下分け目の岐阜県関ケ原町から豊かな生活の創造・実現を目指すこと”を打ち出しています」
「また、関ケ原町は積雪が多い地域で一見デメリットに感じるのですが、除雪対応を通じて、作業速度や効率性、特殊車両の操作技術力やチームワークが高まります。このことは、平時の舗装工事にも活かされていると感じます。現場でのチームワークが大切ですからね」と高橋さん。
経営していてやりがいがあると思うことは何でしょうかとお尋ねすると、「お客様が喜んでくれることが一番ですね。社員が現場でお客様の期待値を超えるような仕事ができ、またお願いしたいとお褒めの言葉をいただいたときは自分もうれしくなります」と楽しそうに話されました。
目標は高く、新たなステージへ
先代からのバトンを受け取り3年が経過する中で、社長の描く今後のビジョンについてお伺いしました。 売上目標についてお尋ねすると、「現在の2倍の売上高を目指したいですね。現在は、公共工事から民間工事まで、土木、建築、外構・エクステリア・造成に対応できる体制が整っています。この効果として、施工管理や人員調整を社内で完結できるようになりました。社外調整が不要なため、施工スピードや低コスト化が可能となり、価格面でもお客様へ還元することができています。従業員も増やしつつ、事業を拡大して目標を達成したいです。」と未来の姿を熱く語られました。
社員が居心地よく、働きやすい環境をつくりたい。事業の成長に携わってくれる社員を募集
つづいて、人材確保の取り組みと、求める人材像をお尋ねしました。
「昨今ではどの業種でも人材確保が課題だと思います。当社も同様ですが、会社を持続的に運営するには、未来を担う若手の確保が不可欠です。若手人材の確保に向けた取り組みとして、プレハブだった旧社屋を一新し、新社屋を新築しました。気持ちよく働ける環境を整えることは非常に重要だと考えています」。
「求める人材像は、向上心があれば未経験の方でも歓迎します。当社が目指す職場環境のありたい姿として、一人一人がプロフェッショナルであること掲げています。この理念に共感し、仕事に取り組んでいただけるのであれば成長できます。
苦手分野があっても自分の得意分野をみつけて活かすこが出来れば大丈夫です。それを見つけて判断するのが私の役目でもあります。」と高橋さんは言います。
「当社は国家資格の取得も応援していますので、入社後は土木施工管理、建築施工管理の取得を目指して欲しいですね。」
舗装屋さんのイメージを変えて、個人のお客様からのご依頼にどんどん応えていきたい。
今後は、建築分野の事業を伸ばしていきたいと高橋さん。「当社は公共工事や、舗装をメインに請け負っているイメージがついているのですが、個人のお客様からのご依頼も承ります。木の伐採や車一台分のコンクリートを打つような工事にも喜んで対応しています。初代、先代からのお客様との関係性を維持しつつ、自身のお客様も増やしていきたいですね」と語ります。
取材の中で高橋さんは、現場で施工を担当する社員の方がお客様にとって、より良くなる方法をどんどん提案されるエピソードを語られました。言われたことだけをやるのではなく、お客様のために考えて行動する姿勢は、まさにプロフェッショナルといえます。また、スピーディーな除雪対応も関ケ原町に暮らす人の役に立ちという思いがあり、関ケ原を支える企業という誇りが感じられるものでした。
まもなく創業から70年を迎える高橋工務店。更なる成長が楽しみです。