株式会社匠建
設立:2008年
従業員:10名
得意分野:建設業(土木工事・外構工事・解体工事)
企業HP:https://www.shouken-sekigahara.co.jp/

この看板、みなさんも見覚えありませんか?
関ケ原町や垂井町を車で走っていると至る所でよく見かける株式会社匠建のこの看板!皆さんも見覚えはないでしょうか?
関ケ原町の建設業の中でも土木・外構・解体分野で独自路線を打ち出しながら成長を続ける株式会社匠建を訪問し、代表取締役である福田一弘さんにお話をお聞きしてきました。
株式会社匠建は福田さんが2006年に創業しました。創業時は宅地造成に関する工事を中心に行っていましたが、創業から18年の間に外構工事・解体工事へ進出するなど、事業分野を次々に広げています。
もう一つの特長は民間工事が事業全体の90%を超えること。関ケ原町の土木建設業では公共工事をメインとする企業が多い中、福田さんの営業戦略で民間工事の道を切り開き、業界の中でも高い比率を実現しています。
そんなバイタリティあふれる福田さんの過去について迫ってみたいと思います。
起業を目指し26歳で買った勉強机、資格取得に向けて猛勉強!
福田さんは26歳の時、起業を決意しました。それまでダンプのドライバーの仕事をしていたそうですが、福田さんのお子さんが成長するにつれ「高卒の給料では先が見えている、家族を養って、子供の未来を明るくするためには起業しかない」と5年後の起業を決意します。
福田さんは「子供のころの夢が“社長になる”ことだったこともあって、家族をもって先を考えた時、もうこれしかないと決意したよ」と福田さんは話します。
福田さんはそのころ仕事で取引のあった大垣市の工務店から誘いを受け、公共工事の土木作業員として働くことになりました。土木業界は全くの未経験であった福田さんですが、入社時に当時の社長に対し「起業するから5年で辞めます」と宣言したそうです。当然社長からは「5年で何ができる」と言われたそうですが、その一言が負けず嫌いの福田さんの意地に火をつけました。
「26歳の時にね、勉強机を買ったんだよ、それまで遊んでばかりで勉強机で勉強なんて一切してこなかったのに」ガハハと笑う福田さん。それから5年間死に物狂いで勉強をしたそうです。
勉強を始めた1年目には「2級土木施工管理工技士」2年目には「2級管工事施工管理技士」3年目には「1級土木施工管理技士」4年目には「「排水設備工事責任技術者」につぎつぎと合格。
「1日中キツイ土木作業をして、家に帰って風呂に入ったら過去問で90点が取れるまで遅くまで勉強、土木作業の休憩時間にも勉強したよ、それはもう本当にキツかった」と当時を振り返ります。
「5年で起業すると決めて資格は取ったけれど、5年たった時もう少し経験を積まないといけないと思ってもう1年。1年経験したら妙な自信が湧いてきて、これはいける!と思ったんだけど、まだ受け持ちの工事があったからそこはきっちり責任を果たして6年半後にやっと退職したよ」と福田さん。
退職したのが2006年3月31日、なんとわずか1日で起業して、4月1日から仕事で現場に出たそうです。
最初の現場はどうでしたか、とお聞きすると「最初の現場のことははっきり覚えてるね。退職の翌日行った大垣の建設会社の依頼で分譲地を整備する宅地造成の仕事。その時は機械も何もなかったけれど、退職金の45万円をはたいて中古の軽トラをとりあえず買って、一人親方の現場監督として始めたよ」と福田さんの決断と行動の速さにはいつも驚かされます。
土木・外構・解体の三本柱 従業員10名の建設会社へ
現在株式会社匠建は10名の従業員を抱える会社に成長しました。現在の事業内容は、土木・外構・解体の三本柱です。
土木は創業時から得意とする分譲地などの造成工事のほか、公共工事では資格と経験を活かした下水道工事も請け負います。
次に外構は、大手ハウスメーカーと取引があり岐阜と滋賀エリアの一般住宅の外構工事を担っています。外構工事と言っても様々で、玄関やアプローチから、フェンス、カーポート、門柱、ウッドデッキ、植栽まで幅広く対応。「過去に、大きな豪邸の工事を請け負った時には、バスケットボールのハーフコートを作ったり、庭にブランコを作ったり、庭も大きくて、あれはやりがいがあったね」と福田さん。
さらに解体工事では、空き家などの住宅解体から、社宅や工場などの鉄骨/RC解体まで対応します。「空き家解体の依頼は年々増えてきているよ、空き家になった実家を解体するケースはよくあって、解体すると持ち主の方もホッとされるね。解体金額は安いわけではないし、競合も多くて業界内にはものすごく安い金額で請け負う会社もあるけれど、匠建なら安心してお願いできると言われるような仕事をしていきたいね」「あとは公共施設や社員寮で建築されてから相当年経過して老朽化する建物も増えていくだろうから、これからはそういったRC解体にも力を入れていきたいね」と建物解体の実情と今後の方針についても教えてくれました。
民間工事に特化してきた理由について福田さんは、「一番は年間で安定した仕事を得るためやね。でも大きな違いは、公共工事は完成すると完成検査があって最後に『合格』と言われるのに対して、民間工事は完成してお客様に引き渡すと『ありがとう』といってもらえる。やっぱりこの『ありがとう』は大きな原動力になるよ」という福田さんは、お客様に喜んでいただけるよう、例えば解体するだけでなく、解体後には草が生えないよう防草シートをはってあげたり、砂利を敷いてあげたり、プラスαのサービスを欠かしません。
関ケ原を代表する企業の工場で、匠建は工場内の補修や機械を設置・移設する営繕業務も担っています。「福田さんはどんな頼みでも快く引き受けてくれて頼もしい存在だよ。」と担当者から頼られている話を私も耳にしたことがあります。
「父が働くあの会社で働いてみたい」と従業員の子供がそう思える会社に成長したい。
そんな匠建には「お客様の感動を、自分の価値を、職人を職人の誇りと輝きで想像します。株式会社匠建は、安心のある生活、笑顔の絶えない未来を創造します。」「きらきらと輝く君たちが子供達に夢を与えます。家族を幸せにします。お客様に安心を与えます。」という素敵な経営理念があります。10年前に福田さんの思いを込めて作られたそうです。理念にはお客様と従業員そして従業員の家族を思う優しさが感じられます。
そんな福田さんは今後の会社のあるべき姿として「父親が働いているあの会社で、自分も働いてみたい。と従業員の子供がそう思えるような会社にしたいよね。昔は関ケ原石材や関ケ原製作所では、親子で一緒に勤める姿がよくあった。昔は関ケ原製作所にも広いグラウンドがあって、会社の運動会があったり、父の草野球に子供が見に来たり、なんて風景も良くあってね。そんな会社になれることが理想かな」と話します。
安定成長に向けた次なる挑戦
創業から16年、急成長から成熟期を迎え、今後は安定成長を目指したいと福田さんは考えています。そのために株式会社匠建では、今後新たな市場への参入を計画しています。
「JRの鉄道沿線の法面保護工事にチャレンジする機会をいただいてね。これまでの土木の経験が活かせる仕事だし、安心安全が最重要とされる分野で今後も無くならない仕事。今後は鉄道や高速道路の土木工事の市場を開拓していきたいと思っている。」と福田さんは、このビジネスチャンスを確実なものにしたいと話します。
しかし鉄道や高速道路の工事を請け負うには、鉄道会社や高速道路会社が設けた独自の資格を取得する必要があるため、数年かけて福田さんは着実に準備を進めてきたといいます。
「JRの仕事は総予算数十億という、とてつもない金額。今、多くの線路では法面は土のままになっていて除草にかなりの費用がかかっているんだそう。そこでこの法面をコンクリート化する事業が進められている。その工事もまだ1期目だからきっと今後も安定して見込めるはず。参入障壁はすごく高い分野だけれど、何とか今回実績を作って継続させたい。そのためにも今後は専門チームを1班作れるようにしていきたいと考えているよ。」と高いハードルをもろともせず、むしろ楽しむ様子もみせる姿は、やはり福田さんらしいところでしょうか。
次の挑戦に向けて一緒に取り組んでくれる従業員を募集中!
今後の新市場参入に向けた人材確保が急務という匠建では、現在土木作業員を募集しています。
求める従業員像について福田さんは「経験者はもちろん優遇するけれど、未経験でも全然OK。今の従業員の中には製造業から転職した人もいるけど、製造業のころよりものびのび、活き活き働いてるみたい。経験も大事かもしれないけれど、前向きで素直な人に切れもらえると嬉しいね」と話します。
現在は20代~40代の10名の若手従業員が活躍しています。従業員とのコミュニケーションで大切にしていることは、「任せて、任さず」だと福田さんは言います。ある程度従業員に責任を与えることが大切で、かといって任せきりにせず、重要な局面では必ずフォローするよう気を付けていること。
社内恒例のBBQは、いつも従業員から「社長そろそろやろうよ!」と声がかかり「おう、やるか!」と季節ごとに何かしらの社内イベントがある、そんなアットホームな社風も、きっと匠建の魅力なのでしょう。
常に新しいことにチャレンジできる環境で、誰もが目にする形に残る仕事、お客様と直接関われるやりがいある仕事に、あなたも関わってみませんか?